ビットコイン(仮想通貨)にかかる税金の計算方法|おすすめのツールも紹介

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2021年に入りビットコイン(BTC)などの仮想通貨(暗号資産)が上昇している(【参考】ビットコインチャート)。利益を得られた一方、その税務に悩んでいる方も多いだろう。本記事では、ビットコインなどの仮想通貨について、税金の計算方法および税率について解説したい。

ビットコイン(仮想通貨)の税金の仕組みと税率

ビットコイン(仮想通貨)は総合課税 給与などと合算

ビットコインは「総合課税」として課税される。これは給与など、その他の所得と合算して税額を求める方法だ。「累進課税方式」が取られており、所得が大きいほど15~55%の範囲で税率が上がる(住民税含む)。つまり、ビットコインは高所得者ほど税負担が大きくなる。

一方、株式やFXはその他の所得と別に計算される「分離課税」。給与などで高い所得を得ていても、税率は一律20%で求められる。

  • 仮想通貨(暗号資産):総合課税(15~55%)
  • 株式、FXなど:分離課税(一律20%)
    ※住民税含む(復興所得税は含まず)

ビットコイン(仮想通貨)の税率

ビットコインの税率は以下の通り。国の税金である「所得税」が5~45%の範囲で決定され、都道府県および市区町村に納める「住民税」は原則10%だ(所得割部分)。

利益の額
(その他の所得と合算)
所得税率
(国税)
住民税率
(地方税)
合計
194.9万円以下5% 10%15%
329.9万円以下10%10%20%
694.9万円以下20%10%30%
899.9万円以下23%10%33%
1,799.9万円以下33%10%43%
3,999.9万円以下40%10%50%
4,000万円以上45%10%55%

ビットコイン(仮想通貨)にかかる税金の計算方法

「総平均法」か「移動平均法」で取得単価を計算

ビットコインなど、仮想通貨の税制上の利益は「総平均法」もしくは「移動平均法」で求めた取得単価を基に計算される。前者は年間の、後者は購入時点の総購入金額で計算される。

例えば以下のようにア~エの順で売買を行なうとする。ウで売却益が出るが、取得単価の計算方法によって税制上の利益が異なる。

ア…ビットコイン1枚を100万円で購入
イ…ビットコイン1枚を200万円で購入
ウ…ビットコイン2枚を400万円で売却(売却益が発生)
エ…ビットコイン2枚を100万円で購入

総平均法による利益の計算

総平均法を用いた場合、税制上の利益は200万円だ。取得単価と利益の計算は以下の通り。

  • 取得単価:総購入額400万円÷総購入数量4枚=100万円
  • 利益の額:(売却単価200万円-取得単価100万円)×2枚=200万円

移動平均法による利益の計算

移動平均法を用いた場合、税制上の利益は100万円となる。総平均法と比較し、税制上の利益が100万円小さくなった。

  • 取得単価:イ時点の総購入額300万円÷イ時点の総購入数量2枚=150万円
  • 利益の額:(売却単価200万円-取得単価150万円)×2枚=100万円

ポイントは「エ時点の購入を取得単価の計算に含めるかどうか」だ。総平均法は同一年の購入はすべて含める(同一年なら取得単価は同じ)が、移動平均法は売却後の購入は含めない。

今回は移動平均法のほうが大きい取得単価となったが、エ時点の購入金額が高額だと総平均法のほうが大きくなる。ケースによってどちらが有利になるか異なるため注意したい。

移動平均法を選択したい場合は届出書(所得税の【有価証券・暗号資産】の評価方法の届出書」の提出が必要だ。提出しない場合は総平均法が適用される。

利益=所得とし、本業の所得と合算

この方法で求めた仮想通貨(暗号資産)の利益をその他の所得と合算し、所得税の税率を当てはめて税額を求める。仮想通貨の利益が小さくても、もともと高所得を得ている場合は税金が大きくなる傾向にある。本記事のシミュレーションも参考にしてほしい。

ビットコイン(仮想通貨)の税金計算ツール

ビットコインの税金計算は煩雑だ。計算に誤りや漏れがあると追徴課税が課される可能性もある。自信がないなら専用の計算ツールの利用が望ましいだろう。取引回数が一定以下なら無料であることも多い。

ただしツールごとに対応の取引所が異なる。国内の主要な取引所の多くは対応しているため、ツールを利用したい場合はそのような取引所で取引を行なうといいだろう。主な計算ツールと対応取引所を以下にまとめる。

 無料範囲対応取引所
Gtax
(ジータックス)
年間100件までコインチェック
GMOコイン
ビットフライヤー
DMMビットコイン
ビットバンク
CRYPTACT
(クリプタクト)
年間100件までコインチェック
GMOコイン
ビットフライヤー
DMMビットコイン
ビットバンク
CryotiLinC
(クリプトリンク)
年間200件までコインチェック
GMOコイン
ビットフライヤー
DMMビットコイン
ビットバンク

【参考】仮想通貨/ビットコイン取引所比較

ビットコイン(仮想通貨)の税金 年収別シミュレーション

ここでビットコインの税金について、より具体的な額を解説したい。

ビットコインの税金を求めるためには、まずその他の所得を求めなければならない。給与以外の収入がないと仮定し、年収別の所得を以下にまとめた。

年収別 給与で得た所得の概算

  • 年収400万円:171万円
  • 年収500万円:238万円
  • 年収600万円:304万円
  • 年収700万円:372万円
  • 年収800万円:450万円
  • 年収900万円:541万円
  • 年収1,000万円:637万円
    ※控除は「給与所得控除」「社会保険料控除」「基礎控除」のみ適用
    ※社会保険料は年収を12カ月で除した値を「標準報酬」として計算

例えば「年収400万円」の場合、給与だけで約170万円の所得となる。仮に暗号資産で30万円の利益を得ると利益の額は200万円となり、20%の税率が適用される。

(再掲)ビットコイン(仮想通貨)の税率

利益の額
(その他の所得と合算)
所得税率
(国税)
住民税率
(地方税)
合計
194.9万円以下5% 10%15%
329.9万円以下10%10%20%
694.9万円以下20%10%30%
899.9万円以下23%10%33%
1,799.9万円以下33%10%43%
3,999.9万円以下40%10%50%
4,000万円以上45%10%55%

これを基に、ビットコインによる利益が50万円、100万円、200万円のケースで税金を求めると以下のようになる。利益が同じでも年収が高くなるほど税額が上昇していることがわかるだろう。

年収別 ビットコイン(仮想通貨)の利益に対する税金の概算

 50万円100万円200万円
年収400万円10万円
(5万円)
20万円
(10万円)
60万円
(20万円)
年収500万円10万円
(5万円)
30万円
(10万円)
60万円
(20万円)
年収600万円15万円
(5万円)
30万円
(10万円)
60万円
(20万円)
年収700万円15万円
(5万円)
30万円
(10万円)
60万円
(20万円)
年収800万円15万円
(5万円)
30万円
(10万円)
60万円
(20万円)
年収900万円15万円
(5万円)
30万円
(10万円)
66万円
(20万円)
年収1,000万円15万円
(5万円)
33万円
(10万円)
66万円
(20万円)
※()はうち住民税

上記の結果はあくまで参考にとどめてほしい。同じ年収でも所得控除等の条件は個々に異なるため、当該シミュレーションに当てはまらない可能性は十分考えられる。

20万円以下の利益は申告不要となる場合がある

以下の条件を満たす場合、ビットコインの利益が20万円以下にとどまるなら申告は不要だ。

  • 収入が給与のみ
  • 年収2,000万円以下
  • 給与の支払いが1カ所のみ
  • 源泉徴収および年末調整を受けている
  • いずれの理由でも確定申告を行なわない

ポイントは「申告不要だが非課税ではない」という点だ。なんらかの理由(医療費控除など)で確定申告を行なう場合、ビットコインの利益が20万円以下の場合でも併せて申告を行なう必要がある。

ビットコイン(仮想通貨)で課税されるタイミング

ビットコインなどの仮想通貨はおもに以下のようなタイミングで課税される。

  • ビットコイン(仮想通貨)を売却したとき
  • ビットコイン(仮想通貨)で商品を購入したとき
  • 別の仮想通貨に交換したとき
  • マイニングで仮想通貨を入手したとき

ビットコイン(仮想通貨)を売却したとき


取引所等でビットコインを売却したとき、利益があれば課税される。最も代表的な課税タイミングといえるだろう。前述した方法を基に税金を計算してほしい。

ビットコイン(仮想通貨)で商品を購入したとき


ビットコインを商品の決済に用いた場合も課税される。ビットコインを売却したとみなされるためだ。

例えばビットコイン4枚を400万円で購入し、20万円相当の商品をビットコイン0.1枚で支払った場合、利益は以下のように計算される。

  • 取得単価:総購入額400万円÷総購入数量4枚=100万円
  • 利益の額:売却金額20万円-(取得単価100万円×0.1枚)=10万円
    ※20万円相当の購入=売却金額20万円とみなされる

別の仮想通貨に交換したとき


取引所等でビットコインを別の銘柄へ交換した場合も課税されるため注意したい。商品の購入と同様、ビットコインを売却したとみなされるためだ。

例えばビットコイン4枚を400万円で購入し、うち1枚をイーサリアム20枚(200万円相当)と交換した場合、利益は以下のように計算される。

  • 取得単価:総購入額400万円÷総購入数量4枚=100万円
  • 利益の額:売却金額200万円-(取得単価100万円×0.1枚)=10万円
    ※イーサリアム200万円への交換=売却金額200万円とみなされる

マイニングで仮想通貨を入手したとき

ビットコインは「マイニング」によって取得できるケースがあるが、これも課税対象だ。取得時点の時価が利益となる。取得単価はないが、マイニングに要した費用を差し引くことが可能だ。

なお「ハードフォーク」等で分裂し、新しい仮想通貨を取得した場合は課税されない。ただしその場合の取得単価は0円となるため、売却時の税負担は比較的大きくなるだろう。

参考文献

国税庁 総合課税制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2220.htm

国税庁 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm

国税庁 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1521.htm

国税庁 所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

LINE BITMAX 第3回:暗号資産の損益計算 ~移動平均法・総平均法とは~
https://bitmax-mag.line.me/archives/26197140.html

国税庁 [手続名]所得税の暗号資産の評価方法の届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/21kasou.htm

東京都主税局 個人住民税の所得割
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html#gaiyo_02

国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm

エアリアル・パートナーズ Gtax
https://crypto-city.net/

クリプタクト CRYPTACT
https://www.cryptact.com/about/

クリプトリンク CryotiLinC
https://cryptolinc.com/

国税庁 給与所得控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

国税庁 基礎控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm

国税庁 社会保険料控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm

協会けんぽ 令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r3/ippan/r30213tokyo.pdf

国税庁 給与所得者で確定申告が必要な人
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm

GMOコイン ビットコイン(BTC)には税金がかかる?納税はどうなる?
https://coin.z.com/jp/column/tax/

国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

(画像:Shutterstock)

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