7分でわかるDeFi(分散型金融)の仕組み【基礎知識】

7分でわかるDeFi(分散型金融)の仕組み【基礎知識】

分散型金融(DeFi)は、暗号資産(仮想通貨)の世界でも最も重要なトピックの1つとなっている。

DeFiの目的は、伝統的金融(TradFi)エコノミーから完全に自立した、まったく新しい金融システムを生み出すことにある。この目標に向けて何十億ドルもの資金が投下され、世界中で何千人もの開発者たちが取り組んでいる。

当記事では、DeFiの理解を深めることを目指す。

イーサリアムとDeFiエコシステムの起源

プログラマーのヴィタリック・ブテリン氏は2013年、ビットコインに携わった後に、次なる暗号資産プロジェクトとして、イーサリアムを共同で立ち上げた。

イーサリアムは複数の異なる機能を持ったブロックチェーンとしてデザインされているという点で、ビットコインとは異なっている。その機能とは、デジタル通貨となること、国際的な支払いのために使われること、そのコード上で実行されるブロックチェーンアプリケーションを持つことであった。

現在では、イーサリアム上で1つのデジタルエコノミーが出来上がっており、その一部となっているのが、DeFiのエコシステムだ。

DeFiとは、イーサ(ETH)などの暗号資産を基盤とした暗号資産ムーブメントであり、(インターネットに接続できる)世界のすべての人に開かれている。

DeFiはトラストレスなアプリケーション、つまり、銀行や政府などの中央集権的存在が管理したり、ホストしていない。暗号化、スマートコントラクト、ブロックチェーンテクノロジーといった暗号資産の要素によって、このDeFiシステムは、グローバルコミュニティが活用できるようになっている。

イーサリアムでは、ソリディティ(Solidity)と呼ばれる堅固なスマートコントラクトプログラム言語を活用。ソリディティは、金融コントラクトに必要となるロジックすべてが、アプリケーションコードに含まれることを可能にする。

現在では、アバランチ(Avalanche)やテラ(Terra)、ファントム(Fantom)など、多くの暗号資産がDeFiアプリケーションの運営をめぐってイーサリアムと競走しているが、DeFiを生み出すために使われた最初のプロジェクトはイーサリアムであり、今でもDeFiに使われる最大のネットワークとなっている。

初のDeFiプロジェクトとなったメイカーダオ(MakerDAO)は2015年、イーサリアムブロックチェーン上に生み出された。

メイカーダオでは、ユーザーがイーサをスマートコントラクトを通じてロックし、米ドルにペグされたステーブルコインのダイ(DAI)を生み出すことを可能にする。

ダイは多くの場合、オアシス(Oasis)と呼ばれるメイカーダオの預金プラットフォームで使われ、実質的には分散型銀行が生まれている。ステーブルコインとスマートコントラクトの力によって、オアシスはユーザー向けに、貸付・借入プラットフォームを作り出したのだ。

DeFiエコシステム内での貸付と借入

貸付・借入プラットフォームは、DeFiエコシステムの中でも大きな部分を占めるようになった。ユーザーは暗号資産をスマートコントラクトにロックし、それに対して借入ができるのだ。暗号資産をスマートコントラクトにロックし、そのコインが借り手に貸し出されるようにすることで、利回りを稼げるようにもなっている。

注目すべきは、DeFiエコシステムでの貸し手が手に入れる利回りが、伝統的金融システムでのものよりはるかに高いという点だ。

スマートコントラクトを実行することは、伝統的な銀行を運営するのに比べて、費用効率がはるかに良い。そのため、貸付で生まれる利回りのほとんどが、スマートコントラクトを通じて貸し手に直接わたるのだ。

多くの人が、透明性の高いスマートコントラクトに信頼を寄せ、それを活用することによって、高い利益を上げている。

超低金利の世界において、このように費用効率の良いスマートコントラクトは、テクノロジーによるソリューションと言えるだろう。

多くの人は、中央銀行がここまで低い金利を容認していることに腹を立てており、それに対するソリューションは政治的な説得ではなく、テクノロジーによってもたらされている。借り手と預金者の両方に、チャンスが生まれているのだ。

堅固なDeFiポートフォリオを築くことで、伝統的銀行システムへの賭けにヘッジをしておいた方が、賢明かもしれない。

コンパウンド

コンパウンド(Compound)は、ユーザーが様々な暗号資産を供給して、利息を稼ぐことを可能にする自律アルゴリズムプロトコルであり、DeFiの貸付・借入分野での主要アプリケーションの1つだ。

ネイティブ通貨はコンプ(COMP)で、データ提供を手がけるDeFi Pulseによると、コンパウンドのコントラクトには現在、89億ドルが預け入れられている。

コンパウンドはさらに、イーサなどの暗号資産に対して借り入れを行い、支払いに使われるステーブルコインを(利息付きで)借り入れることもできる。これは、含み益のある証券に対して現金を借り入れる伝統的金融のコンセプトと、非常に似ている。誰でもが、コンパウンドプロトコルに資産をロックし、それに対して複利での利息を継続的に稼ぎ始めることがすぐにできるのだ。

伝統的銀行とは異なり、コンパウンドの利率は需要と供給をベースに自動的に調整される。

ユーザーがコンパウンドプロトコルにトークンを供給すると、利子を生み、担保として機能する資産を象徴するcトークンを受け取る。コンパウンドユーザーは、自らが持つcトークンの価値の最大50%まで借り入れが可能だ。

伝統的金融システムと同様、借り入れた資産に対しては清算ポイントが存在しており、そこに到達するとユーザーは直ちに流動性を手にし、いつでも資産を引き出せるようになる。

Aaveとフラッシュローン

DeFiエコシステムにおける、もう1つの主要貸付・借入プラットフォームがAaveだ。コンパウンドと同様、Aaveもイーサリアム上で運営される、分散型でオープンソース、カストディアルなプロトコルである。

ネイティブ通貨はAAVE。現在Aaveのスマートコントラクトには、118億ドルが預け入れられている。Aaveでは、ユーザーは暗号資産の貸付・借入ができる。貸し手は、プロコトルに提供した資産に対して利回りを獲得できる。コンパウンドと同様に市場の需要と供給に応じて、利率が調整される。

Aaveはまた、「フラッシュローン」と呼ばれる独自のサービスを提供している。フラッシュローンとは、「1ブロック借り入れ取引」のことで、ユーザーが同じブロック内で借り入れと返済を行う取引だ。

借り入れと返済が同じブロックで起こる場合に限って、スマートコントラクトが貸し付けを許可する。これは新しい機能で、裁定取引やクイックトレーディングで使われる。このようなローンは伝統的金融の世界には存在せず、TradFiを大きく改善するものと考えられている。

フラッシュローンによって、暗号資産エコシステム内で取引所間の裁定取引が可能になる。CoinDeskではフラッシュローンの仕組みを過去に、以下のように説明している。

「トレーダーは多くの取引所における価格差を利用して、利益を上げることができる。例えば、ピザコインが2つの市場で異なる価格をつけているとしよう。取引所Aでは1ドル、取引所Bでは2ドルだ。ユーザーはフラッシュローンを利用して、別のスマートコントラクトに取引所Aで100ピザコインを100ドルで購入するように要求する。そして、それを取引所Bで200ドルで売却する。借り手はローンを返済し、差額を手にすることができるのだ」

このようにして、フラッシュローンは暗号資産取引所間での価格安定性を高め、究極的には暗号資産エコノミーを強化する。

分散型取引所

スマートコントラクト、ステーブルコイン、貸付・借入プラットフォームの誕生は、DeFiにおいてもう1つ大切なものを生み出した。分散型取引所(DEX)だ。こちらも、DeFiにおいて非常に大切な要素である。DEXは2021年、取引高が1兆ドル以上増加した。

DeFiが大切な理由

DeFiの目標は、トラストレスで非許可型の開かれた金融市場を作ることだ。DeFiの進展のために、たくさんの開発努力と、多額の投資が投入された。

DeFiにおけるテクノロジーの大半はTradFiシステムを基盤とし、それを改善するようなものであり、ユーザーにとってより良い結果をもたらす可能性がある。DeFiが進化と強化を続ける中、DeFiを理解し、それと関わり合い、活用する準備を整えることが非常に大切だ。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Understanding DeFi and Its Importance in the Crypto Economy

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