米国のブラックフライデーは仮想通貨で?——アマゾン、スターバックス、マイクロソフトでも

感謝祭・クリスマス休暇に向けたショッピングシーズンが迫っているが、ビットコインユーザーには、このデジタル通貨を利用、獲得するチャンスが今までになく豊富だ。

多くの仮想通貨取引所は、アメリカでの長い感謝祭の週末にかけて、料金や取引手数料を大幅に割り引く。さらに、バイナンスUS(Bainance US)のCEO、キャサリン・コーリー(Catherine Coley)氏は、バイナンスUSの紹介プログラムでトレーダーが友達のサインアップを橋渡しした場合、その期間はサインアップ毎の報酬を通常の2倍である30ドル(約3270円)にすると述べた。

ハードウェア製品を買うにもぴったりの時期だ。仮想通貨ウォレットメーカーのレジャー(Ledger)は、同社ウェブサイト上で販売されるすべての製品を30%オフで提供する。ノード発行企業のカサ(Casa)も、ゴールドメンバーシップ付きのライトニングネットワークノードを、約25%の割引となる100ドル(約1万1000円)オフで販売する。

ところで、あなたのクリスマスリストに並ぶビットコインを持たない人達用に買い物する時でさえも、またはビットコインを直接受け入れるマイクロソフト(Microsoft)のようなテック企業以外からの買い物でも、ビットコインを獲得、利用する方法があるのをご存じだろうか。

ビットコインユーザーらしくお買い物する方法はこちら:

1.小規模な業者にて

カラ(Kala)などの複数のランジェリー小売店プライマル・パスチャーズ(Primal Pastures)などの高級精肉店は、ビットコインによる支払いを受け付けており、全米へ配送対応している。

ロンドンを拠点にする出版社キオスク(Kiosk)は、ビットコインでの支払いを受け付け、BTCペイ(BTCPay)を通じて独自のフルノードを実行している。キオスクが2019年5月にビットコインでの支払いを受け付け始めて以来、約15人の客がビットコインで支払いを行ったと、キオスクの創業者ニック・グリーンバンク(Nick Greenbank)氏は述べた。

「私のビットコインに関する知識の拡大、そして技術に関する知識の底上げに間違いなく役立ちました」と、グリーンバンク氏はBTCペイの利用について語った。「個人の経験としては、利用客の方々は非常に親しみやすく、途中で困ったことがあれば、いつでも喜んで助けてくれますね」

2.ウォレットアプリ利用で

様々な仮想通貨関連スタートアップのおかげで、デジタル通貨で直接取引を行わない主要な小売店においても、ビットコインを利用することは比較的容易になっっている。

フォールド(Fold)やフレクサ(Flexa)などのモバイルアプリを利用すれば、実店舗でのデジタル通貨による支払いが可能になる。フレクサは、ノードストーム(Nordstrom)、バーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)、エクスプレス(Express)、ゲームストップ(GameStop)、オフィス・デポ(Office Depot)やホール・フーズ(Whole Foods)などの小売店での買い物向けに、ジーキャッシュ(ZEC)、イーサ(ETH)、ライトコイン(LTC)、ジェミニのステーブルコインであるGUSDもサポートしている。

3.法定通貨で買い物してビットコインを獲得

フォールドに関しては、クレジットカードとビットコインでの支払いオプションを提供しており、どちらで支払っても幾ばくかのビットコイン報酬が得られる。数千人のユーザーによるこれまでの購買のうち、約30%が同アプリのライトニング・ネットワーク(Lightning Network)オプションによって支払いが行われた。フォールドは、アマゾン(Amazon)、スターバックス(Starbucks)、ターゲット(Target)などで、実店舗およびオンラインでの買い物に利用できる。

フォールドのCEO、ウィル・リーブス(Will Reeves)氏は、招待制のベータ版アプリは2019年10月のローンチ以来、約25万ドル(約2730万円)相当の支払いを処理しており、そのうち60%が法定通貨で支払われたと述べた。一般向けのモバイルアプリは2019年11月25日(現地時間)にローンチされた。

フォールド以外にも、法定通貨を使いながら仮想通貨を獲得する方法はいくつか存在する。

インブラウザのアプリ「ロリー(Lolli)」は、セフォラ(Sephora)、ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)やメイシーズ(Macy’s)などのブランドからのビットコイン報酬を提供している。感謝祭明けの最初の営業日で、小売店がオンラインショッピングを推奨するサイバー・マンデーまでには、新しい競合相手であるクローム(Chrome)の拡張機能、ストームショップ(StormShop)が、イーサリアムベースのステーブルコイン「ダイ(DAI)」で、キャッシュバックの提供を始める。ストームショップを手がけるストームX(StormX)のCEO、サイモン・ユー(Simon Yu)氏はCoinDeskに対して、5000人が同アプリのベータ版メーリングリストにサインアップしたと述べた。ユーザーは、ビットコイン、イーサ、DAI、そしてストームXのネイティブトークンへと報酬を交換することができる。

ビットコイン保有者として業界に2014年以来いるユー氏は、2019年は、仮想通貨ファンが感謝祭・クリスマス休暇のショッピングシーズンにデジタル資産を獲得、利用するために市場の準備が整っていると述べた。メーカーダオ(MakerDAO)は、DAIに報酬を交換した最初の2000人のユーザーに向けて、ストームXが追加の5ドル(約550円)の報酬を分配できるように、1万ドル(約110万円)相当のDAIをストームXに寄付した。

「客が列に並ばなければならない実店舗でのバーゲンから(中略)オンラインでの取り組みへと移行するブランドが多く見られます」とユー氏は述べ、次のように続けた。「仮想通貨の観点からは、我々が事業を開始して以来、商品やユーザーエクスペリエンスという点で、本当に多くの進化が見られます」

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:“A Xmas Shopper,” 1914 postcard, image via New York Public Library/Wikimedia Commons
原文:How to Earn and Spend Bitcoin on Black Friday 2019