SBI VCトレードがレンディングサービス開始へ、セキュリティトークン取引所を大阪に設置する構想も──SBI決算発表

SBIホールディングスは10月28日、2021年3月期上半期(4-9月)の連結業績(IFRS)を発表、売上高が前年同期から18.7%伸びて2281億6,500万円となり、半期の業績として過去最高を記録したことを明らかにした(前年同期 1921億4,700万円)。

暗号資産関連では、SBI VCトレードが11月にもレンディングサービスを開始する方針であることを公表(図参照)。6月26日の経営近況報告会で設置の方針を明らかにしていた「暗号資産ファンド」については、今回の資料では、運用開始は「2021年度中」とされた。個人投資家向けに2020年夏頃から募集する予定としていた。

発表ではまた、株式とセキュリティトークンを取り扱う私設取引所(PTS)を大阪に新たに設立する構想も示している。

SBIホールディングス 発表資料より

暗号資産取引所事業は税引前利益が44.4%伸張

暗号資産関関連事業についてはまた、M&Aをグローバルに推進していることを報告。英国の暗号資産マーケットメーカー、B2C2社の株式の90%取得について英国金融行為監督機構の承認を得ており、期内に連結子会社化すること、Zホールディングス傘下の暗号資産取引所TaoTaoを100%子会社化したことなどを報告した。

暗号資産取引所のSBI VCトレードの上半期の結果については税引前利益を公表、47億1200万円で、前年同期の32億6400万円から44.4%伸びたとした。

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FX事業については、SBIリクイディティ・マーケットとSBI FXトレードの税引前利益の合算を公表。こちらは51億9200万円で、同じく30億9400万円から67.8%伸びたことを明らかにした。

SBIホールディングス 発表資料より

「株とセキュリティトークンの私設取引所を大阪に設立する」

大阪への取引所設置構想は、普通株とセキュリティトークンの両方を取り扱う私設取引所を設置するというもの。世界初の先物取引所である「堂島米会所」の流れをくむ日本唯一のコメ先物市場・大阪堂島商品取引所を 中心に、総合取引所グループを構成、金融都市・大阪実現の一端を担いたい考え。

具体的には、 (1)先物取引所の株式会社化、(2)現物取引所の設置、(3)ホールディングス化、(4)クリアリングハウ スの設置──などのプロセス・機能の追加を経て、「JPXに伍する総合取引所グループを構築」するという。

その中で、今後海外で設立が見込まれるセキュリティトークン市場との連携も視野に入れていることを明らかにした。

SBIホールディングス 発表資料より

「NISA口座でも業界トップ」

このほか、SBI証券の売上高が前年同期から27.9%伸びて740億3000万円となり、過去最高であること、証券口座数が野村證券を抜いて1位になっただけでなく、NISA口座数が188万口座でこちらも業界トップになったことなどを紹介した。

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文・編集:濱田 優
画像:SBIホールディングス 発表資料より