日本発の暗号資産モナコイン(MONA)とは? チャートと価格推移・マイニング方法を解説

暗号資産(仮想通貨)の多くは海外で生まれているが、日本発祥の通貨の一つにモナコイン(MONA)がある。国内では特定のコミュニティを中心に投げ銭などの決済手段として人気を集めており、マイニングによって報酬が得られる通貨としても知られている。
本記事では、モナコインのチャートと価格推移について解説した上で、マイニングの手順についても紹介する。
モナコイン(MONA)とは──ネット掲示板「2ちゃんねる」が発祥の暗号資産(仮想通貨)
モナコイン(Monacoin)はインターネット上で使用できる日本発の暗号資産(仮想通貨)。インターネット上の掲示板、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で使用されるアスキーアート「モナー」をモチーフとして2013年12月から開発が始まり、2014年1月にリリースされた。
プログラムの開発はモナコインプロジェクト(Monacoinproject)が行っているが、コインの発行や運営はしておらず、オープンソースによる開発が続けられている。モナコインは、トランザクションデータのサイズを縮小する方法であるセグウィット(SegWit:Segregated Witness)を導入していることで知られている。
ビットコインを基にPoWを採用、発行上限は1億540万コイン
モナコインのコンセンサス・アルゴリズム(consensus algorithm:承認方式)は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)が採用されている。マイニング(mining)によって新しくコインが発行され、開発者によるリリース前のコイン保有やマイニングはない。モナコインの発行上限は、1億512万コインとなっており、約3年ごとに新規発行量が半減する。2017年7月に最初の半減期を迎えた。
特定のコミュニティで独自の文化を形成
モナコインは、特定のコミュニティで独自の文化を形成している仮想通貨だ。ユーザーによって神社が建立されたり、語呂合わせで投げ銭が行われたりするなど、他の仮想通貨ではあまり見られない文化がある。
モナコイン(MONA)のチャートと価格推移

上記のチャートはモナコインの価格推移を表したものだ。各年におけるモナコインの値動きを紹介する。
2019年:コインチェックへの新規上場からの高騰

2019年はおよそ70円前後で取引を開始したが、同年5月31日、仮想通貨取引所のCoincheck(コインチェック)がモナコインの新規上場を発表し、価格は一時380円台にまで高騰した。
しかしその後はポジティブなニュースに恵まれず、年末にかけて下落傾向をたどり、年始とほぼ同水準の価格で取引を終えた。
2020年:DMM Bitcoin への上場でも値上がり

2020年1月29日、同じく仮想通貨取引所の「DMM Bitcoin 」がCoincheckに続き取り扱いの開始を発表し、モナコインは再び値を上げ、280円程度にまで到達した。
価格はいったん下落するも、9月に迫る「半減期」まで再び騰勢を強める。半減期とはマイニングの報酬が半減されるタイミングを指す。新規供給が細るため、受給が締まる思惑から価格が上がりやすい。モナコインは2020年9月までに220円程度にまで価格が上昇した。
半減期を超えると再び値を下げるが、前年のような極端な下落とはならず、年初より7割ほど高い140円前後で2020年の取引を終えた。
2021年:ビットコインの値動きと連動して大きく上昇

2021年は年初から仮想通貨市場全体が上昇した。3月に代表的な仮想通貨「ビットコイン(BTC)」が史上初めて6万ドルに到達すると、モナコインも年初から約3.1倍となる440円に到達した。
しかし5月に入ると仮想通貨全体にネガティブなニュースが連続的に伝えられる。5月12日に米EVメーカー「テスラ」CEOの「イーロン・マスク」氏がテスラ車のビットコイン決済に否定的な方針を示し、5月21日には中国の金融当局がマイニングの全面禁止を表明した。
仮想通貨全体に下落圧力がかかり、モナコインも下げ足を速めた。7月24日に140円程度まで下落したあとは落ち着きを取り戻し、11月22日時点では約167円で推移している。
2022年:仮想通貨市場の低迷により下落が続く

2021年は大きく上昇したモナコインであったが、2022年に入ってからは下落が続いている。原因はモナコイン自体の悪材料ではなく、仮想通貨市場全体の低迷だ。
5月にはステーブルコインの「テラ(LUNA)」が急落し、その影響は他の仮想通貨にも及んだ。11月には大手仮想通貨取引所の「FTX」が破綻し、仮想通貨市場全体に不安が広がった。2022年の仮想通貨全体のニュースに連動して価格が下落している。
11月にはモナコインの価格は50円台となり、2021年の最高値である440円の半値以下の水準まで減少している。
2023年以降:半減期の到来により上昇が期待される
2023年以降のモナコインの価格上昇は、半減期の到来により期待される。半減期はマイニング報酬が半減される時期を指す。供給が減るため一般に価格の上昇要因となる。
モナコインの場合、105万1,200ブロック生成(約3年半)ごとに半減期を迎える。前回の半減期が2020年であることから、次回は2023年であると考えられる。2022年11月時点では、次回の半減期は2023年10月18日と予想されているが、状況によって半減期が早まる場合や、遅れることもあるので注意が必要だ。
報酬は半減期を迎えるたびに減少するため、供給は減り続ける。この点を踏まえればモナコインの価格上昇が期待できるだろう。
モナコイン(MONA)のマイニング方法
モナコインではソロマイニング、プールマイニング、クラウドマイニングといった方法でマイニングすることが可能だ。ただ、ソロマイニングはマイニングをしたことない人には非常にハードルが高く、高価な機器も買い揃えなければならない。
クラウドマイニングは利益を目的に事業としてマイニングを行うため、価格が高騰しているものを中心にマイニングするコインを決定する。残念ながらモナコインはクラウドマイニングの対象となることは少ないようだ。つまり、今からマイニングを始めようという人はプールマイニングでモナコインをマイニングすることを推奨する。
ウォレットを準備する
マイニングをして得た報酬を受け取るには仮想通貨のウォレットが必要になる。モナコインは専用のウォレットがあり、「MonaWallet」はシンプルで使いやすいことが売りになっている。対応OSはiOSのみとなっている。
ユーザー情報をサイトに登録する
プールマイニングを行う際には、プールマイニング用のサイトに登録する必要がある。モナコインには「VIP Pool」というプールマイニングサイトが存在する。「VIP Pool」にワーカーとして登録することでプールマイニングを行うことができるようになる。
ソフトのダウンロードをする
サイトに登録したら、次はマイニングソフトウェアをダウンロードする。「ccminer」というマイニング用のソフトウェアをダウンロードしよう。あとはワーカーとしての登録情報を登録する。
モナコイン(MONA)が購入できる取引所
モナコイン(MONA)を購入するなら金融庁に認可された国内の仮想通貨取引所から購入することを推奨する。モナコインは国内の代表的な取引所で広く取り扱われているが、口座開設の際には使いやすく、取引所手数料無料といったメリットがあるCoincheck(コインチェック)から開設するとよいだろう。
(画像:Shutterstock)