リップル(XRP)高騰の理由と将来の見通し

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2017~2018年に驚異的な上昇をみせた「リップル」が2021年、再び値を上げている。なぜリップルは高騰したのか、本記事で解説したい。

2021年に入り高騰したリップル

リップルは2021年に入り値を上げ始め、4月14日には1.98ドルをマークした。2020年末は0.22ドルであったことから、3.5カ月で9倍になった計算だ。その後値を落とし、本記事執筆時点(2021年9月22日)は約0.87ドルで推移している。

引用元:TradingView

最高値は2018年初の3.55ドル

2021年はビットコインやイーサリアムなど主要な暗号資産が最高値をマークした一方、リップルは最高値(3.55ドル。2018年1月4日)の更新に至っていない。

以下はリップルが最高値を付けた2018年1月から直近までのチャートだ。2017年12月半ば、日韓の金融機関がリップルを用いた送金実験に乗り出すと市場に伝わり、リップル価格を押し上げた。

引用元:TradingView

リップルは高値を更新できていないが、直近の上昇率が低いわけではない。リップル(青)とビットコイン(オレンジ)のチャートを比べると、2020年中頃からの値上がりはいずれも同水準だ。

引用元:TradingView

リップルが高騰した理由

なぜリップルは高騰したのだろうか。理由として以下の2点が考えられる。

  • Sparkトークンのエアドロップ(無料配布)
  • SBIグループがリップルを利用した送金サービス開始

Sparkトークンのエアドロップ(無料配布)

「エアドロップ」とは無料配布を指す。リップル社の投資部門が出資を行うプロジェクト「フレアネットワーク」は2020年8月、同プロジェクトのネイティブトークン「Sparkトークン」を、2020年12月12日時点のリップル保有者に対しエアドロップするとアナウンスしていた。

エアドロップという直接的な付加価値がリップルに付与され、2020年11月に入りリップルは0.25ドル前後から0.82ドル程度まで急騰した。その後、米SEC(証券取引員会)による米リップル社訴訟から値をほとんど戻したが、リップルが2021年から高騰したきっかけになったと考えられる。なお、SECによる訴訟は後で詳しく述べる。

SBIグループがリップルを利用した送金サービス開始

SBIグループ「SBIレミット(国際送金業)」および「SBI VCトレード(暗号資産交換業)」は2021年7月28日、日本で初めてリップルを利用した送金サービスの開始を発表した。送金に用いるブリッジ通貨としてリップルを用いるもの。

2021年4月の高値を付けた後、リップルは0.5~0.7ドルまで値を落としていたが、公表後は1.40ドル程度まで上昇した。

リップルの価値を裏付ける強み

リップルの時価総額は約4.7兆円(2021年9月22日時点)で、暗号資産の中では5番目に大きい(テザー(USDT)などステーブルコインを除く)。

リップルが市場から評価されているのは以下3つの強みを持つためだろう。

  • 送金スピードの早さ
  • 取引コストの低さ
  • 有力金融機関によるネットワーク「Ripple Net」

送金スピードの早さ

リップルは送金スピードに優れる。暗号資産の送金スピードはブロック生成時間によるが、ビットコインは1ブロックの生成に約10分かかる。つまり理論上は10分程度で送金可能だが、処理に時間がかかるケースもあり得る。実質的な送金スピードは10~40分程度になるだろう。一方リップルは約3.3秒で送金できる。

ビットコインとリップル 送金時間の比較

  • ビットコイン:約10~40分
  • リップル:約3.3秒

ビットコインはブロックチェーン参加者同士で取引の正当性に合意し処理を行う。これを「マイニング」と呼ぶが、作業量が多く処理に時間がかかる。一方リップルの場合、処理のほとんどはリップル社のサーバー内で、リップル社指定の「バリテーダー」による多数決で行なわれる。マイニングより作業量が少なく、送金スピードの向上に役立っている。

取引コストの低さ

リップルの処理方式は送金コストにも優れる。ビットコインが送金に0.001BTCかかるところ、リップルは0.15XRP。両者の価格から、リップルはビットコインの300分の1以下のコストで送金できる計算だ。

ビットコインとリップル 送金コストの比較

  • ビットコイン:0.001BTC(42ドル)
  • リップル:0.15XRP(0.135ドル)
    ※それぞれ1BTC=4.2万ドル 1XRP=0.9ドルで計算

有力金融機関によるネットワーク「Ripple Net」

「Ripple Net(リップルネット)」はリップル社の送金ネットワークを指す。「xCurrent」「xRapid」「xVia」の3つのサービスで構成されており、うち「xRapid」はリップルをブリッジ通貨として送金を行う。

Ripple Netは世界の有力金融機関が提携しており、55カ国以上・120通貨ペア以上が同ネットワークに参加している。多くの金融機関が参加していることから、リップルの需要が一定以上あることは明らかだ。リップルの価値を裏付けているといえるだろう。

Ripple Net 参加金融機関の例

  • バンクオブアメリカ(米)
  • アメリカンエクスプレス(米)
  • スタンダード・チャータード銀行(英)
  • SBIレミット(日)
  • サイアム商業銀行(タイ)
  • サンタンデール銀行(スペイン)
  • NIUM(シンガポール)

リップルの将来の見通しは?

リップルの将来の見通しを整理しておく。

米SECによる訴訟が課題

米SEC(証券取引委員会)は2020年12月、リップル社を提訴した。リップルを証券とみなし、リップル社が違法な証券募集を行ったとしたものだ。提訴を受けリップル価格は一時下落した。

リップル社は、リップルは証券に当たらないという立場を取っており、今後は裁判でその判断が争われる可能性がある。仮に米国でリップルが証券と判断された場合、行き先の不透明感から売りが出る可能性があるだろう。

アジアを中心に拡大が続く見込み

もっとも、リップルはすでに世界的に展開しており、仮に米国でリップルが証券とみなされても影響は限定的とする向きもある。例えば日本においてリップルは資金決済法上の暗号資産で、有価証券には該当しない。

リップルは特にアジアにおける展開を強める見込みだ。2021年1月にはマレーシアのモバイル金融サービス「モバイルマネー」と提携し、同年3月にはフィリピンの国際送金業者「トラングロ」の株式の40%を取得。さらに8月には韓国の送金サービス大手「グローバル・マネー・エクスプレス」と提携した。

多くの人口を抱えるアジアは潜在的な送金ニーズが強い。アジアで拡大が続けば需要増加からリップル価格を押し上げるだろう。

リップルを取り扱う取引所

以下の取引所で口座開設を行うとリップルを取引できる。取引所が定める方法で本人確認を行い口座開設してほしい。

【参考】仮想通貨/ビットコイン取引所比較

参考文献

リップル社
https://ripple.com/

コインチェック リップル(XRP)とは?初心者向けに特徴やメリット、今後の動向を簡単解説!
https://coincheck.com/ja/article/5

ビットバンク リップル(XRP)
https://bitbank.cc/info/ripple/about

ビットフライヤー リップルとは?
https://bitflyer.com/ja-jp/ripple

GMOコイン リップル(XRP)とは
https://coin.z.com/jp/corp/information/xrp/

日経新聞 仮想通貨リップル、時価総額2位に 送金での活用に期待
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25318700U8A100C1EN2000/

COINPOST Flare Networkとは|XRP(リップル)と密接に関わるSparkトークンの将来性
https://coinpost.jp/?p=198671

ビットバンク Sparkトークン付与に係る共同対応とXRPの出金停止について
https://blog.bitbank.cc/20201204/

SBIレミット 会社概要
https://www.remit.co.jp/corporate/corporate_profile/

SBI VCトレード 会社概要
https://www.sbivc.co.jp/profile/

SBIレミット SBIレミットとSBI VCトレード、日本初となる暗号資産を用いた 国際送金サービスを展開開始
https://www.remit.co.jp/kaigaisoukin/information/release20210728/

リップル社 ripple net
https://ripple.com/ripplenet

コインチェック リップル(Ripple/XRP)のブロックチェーンとは?仕組みをわかりやすく解説
https://coincheck.com/ja/article/212

野村総合研究所 リップル社を提訴した米国SEC
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2020/fis/osaki/1224

(画像:Shutterstock)

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