暗号資産のガス代とは? 高騰する理由と安く抑える方法を解説

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主にイーサリアムをはじめとするブロックチェーンで発行されるNFTなどを取引する際、「ガス代」と呼ばれる手数料が発生する。イーサリアムの利用者が増えることで、処理が遅くなることにより、ガス代が高騰することも多くなった。

上記の問題をスケーラビリティ問題と呼ぶが、NFTの取引を行う予定があるなら、できる限りガス代を安く抑えて取引したいところだ。本記事では、仮想通貨のガス代について紹介し、高騰する理由と安く抑える方法を解説する。

暗号資産(仮想通貨)のガス代とは?

ガス代とは、イーサリアム(ETH)において発生する取引手数料のことである。トランザクションと呼ばれる取引の実行や、プログラムを処理するためにかかる手数料だ。

取引で発生したガス代は、取引の承認を行う「マイナー」に支払われる。マイナーによる取引の承認は、ネットワークのセキュリティを維持するために必要であり、ブロックチェーンにおける取引を健全化させるためにガス代は必要なコストといえる。

しかし、イーサリアムの利用者の増加に伴いガス代の相場が高騰しており、取引処理の遅延も含めて、利用者から不満が出ている。これらの問題は利用者の増加に起因しており、総じてスケーラビリティ問題と呼んでいる。ガス代が高騰したことにより、多くの利用者から現在のコストの高さは必要経費として受け入れられておらず、問題の改善が求められる。

イーサリアムにおけるガス代のチャートと相場

引用:https://livdir.com/ethgaspricechart/ja/

上記のチャートは、2022年12月~2023年1月までのガス代の相場をまとめたものである。ガス代はgwei(ギガウェイ)という単位で計算されており、「1gwei=0.000000001 ETH」となっている。

上記のチャートを例に挙げるなら、ガス代の最低レベルの相場は10gweiであり、時間によっては75gweiを超えるときもあった。日時によってガス代は大きく変化することが分かる。

全期間を振り返れば、一時的にガス代が6,000gweiを超えるタイミングがあったことも観測されている。イーサリアムを利用してNFTなどを取引する際には、その時のガス代の相場を理解しなければ損をしてしまう危険性がある。

仮想通貨のガス代が高騰する理由

チャートを踏まえたうえで、仮想通貨のガス代が高騰する理由をまとめた。

  • ネットワークが混雑しているから
  • 手数料をETHで支払う必要があるから

ネットワークが混雑しているから

ガス代は処理すべきトランザクションが増加するほど高くなる仕組みだ。ネットワークが混雑するほど取引を処理するための手数料はかかりやすくなり、処理が遅くなってしまう。つまり、ガス代が高くなったタイミングはイーサリアムのブロックチェーンネットワークが混雑したタイミングに一致するといえるだろう。利用者が増加すれば、ネットワークが混雑しやすくなるので相場が上がる。スケーラビリティ問題におけるガス代の高騰は、利用者が処理能力に追いつかないほど増加している状態が恒久化していることである。

手数料をETHで支払う必要があるから

ガス代はgweiで表すことから、イーサリアムのガス代はETHで支払う必要がある。法定通貨とは異なり、イーサリアムの価格は市況によって大きく変動することがあるので、高騰するタイミングで手数料を支払うと法定通貨の価値換算による実質的な手数料が増加する。ガス代の相場だけでなく、イーサリアム自体の価格変動も考える必要がある。

仮想通貨のガス代を安く抑える方法

NFTの取引などを利用するにあたって、イーサリアムのガス代を安く抑える方法は主に3つある。

  • 混雑している時間を避ける
  • ガス代を調べてから取引する
  • 安いガス代で取引の承認を待つ

混雑している時間を避ける

イーサリアムはネットワークが混雑している時間ほど処理が遅くなり、ガス代も高くなる仕組みである。つまり、ネットワークが混雑しない時間帯に取引することを心がければ、ガス代の相場が安いときに取引できる可能性が高まる。日本時間では、平日の午後が安くなりやすい。チャートなどから傾向を把握して、混雑が少ない決まった時間に取引するようにすれば、手数料を安く抑えられるだろう。

ガス代を調べてから取引する

イーサリアムのリアルタイムにおけるガス代はWebサイトを利用して調べられる。ETH Gas Stationでは現在のガス代だけでなく、ブロックチェーンネットワークの混雑状況を「Real Time Gas Use」という項目で視覚的に把握できる。待機時間や、リアルタイムのガス使用も分かるので、ガス代を支払う必要がある場面では、事前に調べてから利用することを推奨する。

安いガス代で取引の承認を待つ

イーサリアムにおける取引のガス代は自身で設定できる。早く取引を成立させたいのであれば高く、時間をかけても問題がない場合は低く設定しても問題ない。現在における相場を調べており、取引時の手数料が高いと判断したときは、ガス代を安く設定すれば、時間をかければ取引は承認される場合もある。時間をかけても節約を優先したい場合は、ガス代を安く設定する方法が有効になる。

仮想通貨のガス代を安くする取り組み

最後に、仮想通貨のガス代を安くする取り組みをまとめた。

  • イーサリアムキラーの台頭
  • レイヤー2プロジェクト
  • イーサリアムのアップデート

イーサリアムキラーの台頭

イーサリアムのガス代問題を解決すべく、イーサリアムキラーと呼ばれるガス代が安く取引処理速度の速いブロックチェーンや、レイヤー2によるプロジェクトなどさまざまなアプローチが取られている。

イーサリアムキラーは、ガス代が安く、取引処理速度が評価されており、普及した後にもスケーラビリティ問題を抱える可能性が低いとされるイーサリアムの後進のプロジェクトである。NFTの発行もイーサリアムだけでなく、イーサリアムキラーと呼ばれるブロックチェーンでも発行されるようになっている。

世界最大級のNFTマーケットプレイスopenseaでは、イーサリアムだけでなく、イーサリアムキラーとして名前が挙げられる次の仮想通貨のNFTに対応している。

上記の仮想通貨を使用することで、ガス代を安く抑えられるだけでなく、スケーラビリティ問題も解決できるため、イーサリアムの地位を奪うことも考えられる。

レイヤー2プロジェクト

イーサリアムと共存する形でガス代を安くする取り組みも存在する。レイヤー2プロジェクトのポリゴン(MATIC)は、イーサリアムをレイヤー1として、レイヤー2である自身のブロックチェーンをイーサリアムに接続する形で、イーサリアムのブロックチェーンの機能を拡張できる仕組みだ。処理速度も優秀でガス代も抑えられるため、イーサリアムと共存する形で発展することが期待される。

イーサリアムのアップデート

イーサリアムも現状の問題を解決すべくアップデートを進めている。最新の大型アップデートのMerge(マージ)では、コンセンサスアルゴリズムをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行しており、将来的にシャーディングを実装するための土台を作るアップデートが行われた。

シャーディングとは、取引を並列処理するための仕組みであり、今後のアップデートで実装されれば、イーサリアムの処理能力は向上し、ガス代も安くなり、スケーラビリティ問題が解決する可能性がある。

(画像:Shutterstock)

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